コンタクトレンズの歴史
1.コンタクトレンズの発想
〜コンタクトレンズは誰が最初に考えだしたのか?
1508年にレオナルド・ダ・ビンチが、表面が凸凹の角膜でも水を張った容器などに眼をつけるとよく見えるようになることを指摘している。 このことからダ・ビンチはコンタクトレンズの原理の創案者であると考えられている。
2.ガラス製のレンズの登場
19世紀の終わり頃、ドイツのFickがガラス製のレンズを不正乱視の患者の眼に装用させることを思いついた。このことを「Eine kontactbrille」という本に記載した。この「kontactbrille」から現在のコンタクトレンズの名前ができたといわれている。
しかし、眼の表面をすっぽり覆う固いガラスのレンズだったので、当然長い時間装用できるようなものではなかった。
3.市販〜特殊眼への視力矯正
その後、同じドイツのMullerがレンズの製作をカールツァイス社に依頼した。これが本格的なコンタクトレンズの歴史の幕開けである。
しかし、当初は円錐角膜や強度乱視、無水晶体、といった特殊眼の視力矯正を目的とした応用にとどまっていた。
4.プラスチックコンタクトレンズの発展
1940年代にポリチルメタクリレートを素材とするハードコンタクトレンズ(PMMA)が開発された。
この素材の登場により、ハードコンタクトレンズが一般に普及し始めたが、普及するにつれてハードコンタクトレンズの問題(装用になれるまで時間がかかる、一日の装用時間に限界があるなど)があきらかになってきた。
5.酸素透過性ハードコンタクトレンズの発展
ハードコンタクトレンズの問題の主原因は、角膜の代謝に必要な酸素を通さないことである為、1970年頃から酸素を透過するハードコンタクトレンズ(RGP)の開発がすすめられた。
6.ソフトコンタクトレンズの発展
1955年頃よりソフトコンタクトレンズの開発が進められる。
ソフトコンタクトレンズは材質的に水を含んで柔らかく、酸素透過性もあり、装用感も良いので、普及率が飛躍的に高まってきている。
また、1988年にアメリカFDAで使い捨てコンタクトレンズが認可され、日本でも1991年に認可された。現在では使い捨てレンズの普及率も高まってきている。